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日本の伝統的な建築と、モダンなブルックリンスタイルが融合
京都市西京区、鈴虫寺のそばに、ひっそりと佇む一軒のカフェをご存知ですか?その門をくぐると、日常の喧騒から隔絶された静謐な空間が広がり、訪れる人を不思議な物語の世界へと誘います。今回ご紹介するのは、ただのカフェではありません。日本の伝統的な建築と、モダンなブルックリンスタイルが融合した、唯一無二の空間「BAMBOO COFFEE KYOTO」です。
なぜこのカフェが、多くの人を惹きつける特別な場所になっているのか。その秘密を紐解いていきましょう。

京の西山に佇む、竹林の隠れ家 芸能関係者も足を運ぶことがあるそう
BAMBOO COFFEE KYOTOは、人気の観光地「鈴虫寺」のすぐそばに位置します。鈴虫寺は、そのユニークな説法と、一つの願いを叶えてくれる「幸福御守」で知られ、多くの参拝者が訪れる場所です。特に、話術や縁結びのご利益を求めて、芸能関係者も足を運ぶことがあるそうです。
そんな静かで特別な場所にあるこのカフェは、鈴虫寺や、美しい苔で知られる苔寺を訪れた後の一服に最適な「憩いの場」になっています。京都バスの「苔寺・すず虫寺」バス停の目の前という抜群のアクセスも魅力です。旅の疲れを癒し、心の安らぎを取り戻すのにぴったりな、まさに「癒しのパワースポット」と言えるでしょう。
時を超えて紡がれる、かぐや姫竹御殿の物語

BAMBOO COFFEE KYOTOの最大の魅力は、その建物自体が持つ壮大な歴史にあります。このカフェは、昭和初期に竹職人の名工として知られた長野清助さんが、27年もの歳月をかけて一人で造り上げた「かぐや姫竹御殿」を再利用したものです。この地域は「竹取物語」の発祥地と伝えられており、長野さんはその物語への深い想いを込めて、この芸術的な建物を完成させました。
門をくぐると、そこには竹細工の技が光る見事な空間が広がっています。特に注目してほしいのは、竹の破片をモザイクタイルのように丁寧に貼った「清助貼り」の壁や、かつて茶室として使われていた建物に残る「傘張り天井」です。これは、竹職人の並々ならぬ情熱と技術が凝縮された、まさに芸術品。この貴重な建物を「たくさんの人がくつろげる場所として守りたい」というオーナーの強い想いが、このカフェを単なるお店ではなく、地域の文化を未来へつなぐ大切な拠点にしています。
この歴史ある建築に、古材の床やモルタルの壁、松の組木式天井といったモダンな「ブルックリンスタイル」が融合しているのも面白い点です。この思い切ったデザインは、伝統と現代が見事に調和し、不思議と落ち着ける空間を生み出しています。古材や竹が持つ「時を経て美しくなる」という哲学が響き合う、ユニークな空間は、若い世代からも「おしゃれで写真映えする」と人気を集めています。
深煎り、中煎り、浅煎りの3種類から選べるコーヒーに込められた、温かな想い

BAMBOO COFFEE KYOTOでは、お店の空間と同じく、一杯のコーヒーにも温かい哲学が込められています。使用している豆は、化学肥料を使わない「オーガニック」で、生産者と適正な価格で取引する「フェアトレード」のもの。これは、「街と人と歴史がいつまでもつながるように」というお店のコンセプトが、建物の保存だけでなく、世界の生産者への配慮にも表れている証拠です。
丁寧にドリップされるコーヒーは、深煎り、中煎り、浅煎りの3種類から選べます。特に、ネルドリップで抽出したバランスの良い味わいのアイスコーヒーや、可愛らしいラテアートが施されたカフェラテは人気です。
コーヒーのお供には、地元・上桂にある「お菓子屋mina」さんの手作り焼き菓子がおすすめ。添加物を使わない素朴で優しい味わいは、お店の温かい雰囲気にぴったりです。地元のお店と協力することで、地域コミュニティを応援したいというオーナーの気持ちが伝わってきます。
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